ジェネリック医薬品メーカーは信用できるの?

ジェネリック医薬品の疑問

ジェネリック医薬品を製造・販売するのは、おもにジェネリックを専門とする会社ですが、中には新薬の開発も手掛ける会社や、大手製薬会社の子会社なども含まれます。

新薬と異なり、ジェネリックは1つの先発薬に対して複数の銘柄が発売されことが一般的です。つまり会社間の競争が激しいため、ジェネリックメーカーにも新薬の会社に負けず劣らず「大きな信用」が求められています

国内の代表的なジェネリックメーカー

現在、日本における最大手のジェネリック医薬品メーカーとしては「日医工」や「沢井製薬」「東和薬品」などがあります。他に「武田テバ」「日本ケミファ」「Meiji Seika ファルマ」、また第一三共の子会社である「第一三共エスファ」や、「陽進堂」「日本化薬」「ニプロ」なども有名です。

もともとジェネリック医薬品メーカーは、ジェネリックの開発を専門とする会社が多かったのですが、近年では大手製薬会社もジェネリックに力を入れてきており、子会社や関連会社で研究開発をおこなっています。

ひと昔前まで、ジェネリックは「ゾロ品」という批判的な名称で呼ばれていたことがありました。先発薬の特許が切れた後、ゾロゾロと出てくる後発品という意味合いです。そこには「品質は先発薬よりも劣る」という偏見も込められていたと思われます。

しかし今や国を挙げて推進されているほど、ジェネリックも立派な医薬品の1つとして認知されるようになりました。また新薬の開発にかかる期間とコストが莫大なため、これまで新薬のみを取り扱ってきた製薬会社も経営が楽ではなくなり、ジェネリックの開発を並行しておこなうところが増えてきています。

ジェネリックメーカーに求められる努力~高品質な薬をすみやかに供給

新薬は「特許」で守られるように、発売後およそ10年以上は開発した製薬会社の専売が認められています。それが画期的な薬であればあるほど利益も大きく、次の新薬の研究開発にコストを費やすことができるというわけです。

一方ジェネリックは、1つの先発薬の特許が切れると多数のメーカーから一斉に発売されるため、その中で「いかに選ばれるか」が問われます。いずれも同じ成分を使っているとはいえ、やはり銘柄が違えば効き目に若干の差が出ることも少なくありません。 ジェネリックに否定的な医師は、こうした「玉石混交」の状態に対して不信感を持っているともいえるのです。

ですから各ジェネリックメーカーは、病院や患者さんの信頼を得るためにそれぞれ努力をしています。まず市場ニーズの高い薬を見極め、高品質なジェネリックをすみやかに製造・発売することはもちろん、付加価値として「使い勝手をよくする工夫」にも力が入れられています。

また製造や流通の効率化をはかり、常に薬を安定供給できるようにすることも欠かせません。特にジェネリックは先発薬と比べ、いざ薬局の在庫が切れた時の補充が遅い点がデメリットとして挙げられています。 医薬品にはいつでもスピーディな流通が求められるため、薬局側の信用を得るためにも効率的なシステムの確立が必須です。

ジェネリックメーカーに求められる努力~薬に関する十分な情報提供

さらに薬の営業担当である「MR」の教育を熱心におこなうメーカーもあります。もともとジェネリック医薬品の課題の1つとして「情報提供能力の弱さ」、つまり「薬に関する情報量の少なさ」がよく挙げられています。

たとえば新薬のメーカーなら、長い期間をかけて治験をおこないますし、もちろん薬の安全性についても確認していますので、病院や薬局から問い合わせを受けても適切な回答ができるだけのデータがそろっています。 しかしジェネリックメーカーの場合、義務づけられている試験が限られていますので、基本的な質問にしか回答できないことも多いようです。

そのため医師や薬剤師がジェネリック医薬品に関して何かを問い合わせたい時、そのメーカーではなく、もととなる先発薬のメーカーに質問するというケースもあるほどです。 こういった面でジェネリックに対する不信感を募らせる医師も多いため、ジェネリックメーカーも情報提供能力のアップに力を入れているところが増えているようです。

こうして考えると、やはりジェネリック業界の中でも大手といわれる会社や、有名な製薬会社の関連会社のほうが、信用を得られやすいという側面はあるでしょう。 また今後はジェネリックメーカー同士の吸収合併も進み、さらに充実したシステムが構築されていくことが予想されます。

「本当にいいジェネリック」のふるい分けが課題

ジェネリックに否定的な医師も多いとはいえ、もちろん中には優れたジェネリックも複数存在します。特に信頼と実績あるメーカーの薬は、積極的に採用する医師も増えています。

ジェネリックは先発薬をもとに作られますから、そのぶん患者さんの生の声を開発に生かすことができ、独自の工夫を加えることが可能です。そしてある程度の長い期間、さまざまなジェネリック医薬品を開発する中で、非常に優れた技術を身につける会社もあるのです。 実際、先発薬よりも薬の溶け出し方や成分の純度などにおいて、優れているジェネリックがあることも調査で明らかになっています。

ですから今後求められるのは、「数十種類と販売されているジェネリックの中で、本当にいいものを残す」ことだといえるでしょう。そのためには各メーカーがしのぎを削りながら、より優れたジェネリックの研究開発に励むことはもちろん、日本でも何らかの「ランク付け評価」をおこなう必要があるのではないかといわれています。