知らないうちにジェネリックを処方されているのはなぜ?

ジェネリック医薬品の疑問

調剤薬局でもらった薬の説明書きを見たら、「この薬はジェネリックです」という記載があり、「え?聞いてないよ」と思った経験のある人もいると思います。

薬局側は、医師の処方箋に基づいて薬を調剤するため、この場合は医師が「ジェネリックの利用を可」にしたということになります。それでも薬局側は、念のため患者に同意を求める必要があるのですが、最近ではきちんと確認しないままジェネリックに切り替えられるケースが増えています。

ジェネリックの普及のため、処方箋様式が変わっている!

そもそもジェネリックを購入するためには、医師の許可が必要です。ジェネリックの処方に積極的な医師もいれば、そうでない医師もいますので、どんなに患者側が安い薬を希望しても、医師が許可しない場合は購入できません。
ですから調剤薬局が勝手にジェネリックを処方するということはなく、かならず処方箋に医師からのOKサインがあるのです。

最近では処方箋の様式が変わり、医師が先発薬にこだわる場合にはサインを入れなくてはいけなくなりました。すべての薬を先発薬にしたい場合は、処方箋の下にある「後発医薬品への変更がすべて不可」という欄にサインを入れます。一部の薬のみ不可にする場合は、その薬の「変更不可」という欄に「×」を入れた上で、それぞれにサインを入れる必要があります。
これによって「この薬はジェネリックにしてもいいけれど、こっちの薬は念のため先発薬で」というふうに、薬ごとに可否を分けることができます。

つまり先発薬にこだわる医師にひと手間かけさせることで、国はジェネリックを普及しようとしているのです。

確認なしでジェネリックを出される理由とは?

調剤薬局では、患者さんから手渡された処方箋をもとに薬を調剤します。そして処方箋の「変更不可欄」に×印もしくは医師のサインが特に見当たらなければ、薬局はジェネリックを調剤できます。

ただしそこには「患者の同意のもと」という前提があります。特にある程度長く使ってきた薬の場合、同意なしにジェネリックに切り替えられては患者さんも困惑するでしょう。
ですから「今はこういうジェネリックが出ていて、今まで使っていたものより安く済みますけどいかがですか?」という確認が必要になるのです。

ところが実際は、この確認がされないまま勝手にジェネリックに切り替えられているケースが増えているようです。

考えられる理由の1つは、「事前にアンケート用紙などで、『ジェネリックのある薬にはそれを希望する』と回答した」ということです。初めての調剤薬局に行った時、住所や名前、アレルギーなどの確認をする用紙を渡されると思いますが、最近ではその中に「ジェネリックの希望」についても盛り込まれているものが多く見られます。
一度それにOKと回答していたら、その後は特に確認なしにジェネリックを処方される可能性が高いでしょう。

他に考えられるのは、「以前にジェネリックを処方した実績がある患者さんには、ジェネリックへの変更に抵抗がないもの」と見なされることです。つまり「前にもジェネリックを出して問題なかったのだから、特に意思確認は必要ないだろう」と思われ、他の薬であっても当たり前のようにジェネリックを出す薬局があるということです。

ただしジェネリックへの変更は、あくまで患者さんの同意が必要なものです。いくら医師が処方箋で「変更可」にしたとしても、「どうしますか?」と確認せずに薬局側がジェネリックを処方することは、厳密にはルール違反だと思われます。

そもそも先発薬を置かなくなっている薬局もある!?

ただし薬局側にも、それなりの事情があります。まず在庫の問題です。

特にジェネリックの処方に積極的な病院の近くにある調剤薬局では、近年、ジェネリックを多く置くようにしています。薬局の在庫スペースにも限りがありますので、よほど人気の根強い先発薬でない限り、同じ成分の薬を何種類も置くことはしません。
ですから「どうしますか?」と確認しようにも、薬によっては既にジェネリックしか置いていないというケースもあり得るのです。

また国全体の風潮もあります。国はとにかくジェネリックの普及に励んでおり、その通達はもちろん薬局にも行き渡っています。ですから特に患者さんが先発薬に強くこだわる場合をのぞき、数年前ほど確認を徹底しなくなっているのでしょう。

ですからもしも気に入った先発薬を使い続けたい場合は、まずは調剤薬局ではなく、医師にその旨を伝えたほうがスマートです。そうすれば医師は処方箋の「変更不可欄」にサインを入れてくれますので、薬局でも在庫がある限りは、先発薬を出してくれます。

そもそも処方箋を渡されて薬局に持って行くまでの間に、処方箋の内容をまじまじと確認する習慣のある人は、そう多くないかもしれません。薬にこだわりのある場合は、ぜひ目を通すようにしてみてください。

もちろんそこまでこだわりの強くない場合は、まず少しでも安いジェネリックを試してみることをおすすめします。その結果、効果に違いを感じなければそれに越したことはありません。