ジェネリックは絶対に先発薬と効き目が同じなの?

ジェネリック医薬品の疑問

「少しでも安いならジェネリック医薬品を使ってみてもいいけれど、本当に効き目が同じなのかどうか心配…」という人もいるかもしれません。

ジェネリック医薬品の多くは「生物学的同等性試験」などによって、先発薬との同等性が確認されています。しかし「まったく同じ薬」ではないことは理解しておく必要があるでしょう。

「ジェネリック=同じ成分を使った別の薬」と考えよう

ジェネリック医薬品の中でも、特に内服薬に関しては厳しい検査がおこなわれています。薬を服用した後の血中濃度、そして薬の溶け出し方について、日本では2本立てで検査が実施されています。 ですから「先発薬と効き目に大きな差がある」ということは、ほとんどありません。

ただし添加物や製法などが異なる以上は、「先発薬とまったく同じ薬である」とは言い切れないのも本当です。薬は主成分のみならず、添加物やコーティングの仕方、剤型なども含めた上での「商品」であり、銘柄が違えば当然ながら、薬としては別物と考える必要があります。

大切なのは「求める効能を得られるかどうか」であり、それさえ問題なければ、少しでも安価なジェネリック医薬品を選んだほうがお得だといえるでしょう。つまりジェネリック医薬品は先発薬の「コピー品」ではなく、同じ成分を同じだけ使い、同じ効果を得られるように開発された「新しい薬」だということです。

ジェネリックに関する宣伝の中には、このあたりの説明がやや不十分で、「先発薬と同じ薬」であるかのようにうたっているものも見受けられます。しかし「ジェネリック」とはそもそも、薬の「一般名(有効成分の名前)」を指す言葉であり、商品としては別物です。 同じ成分で同じ効能を得られる、別の薬と捉えたほうがいいでしょう。

どんな薬であれ、人によって相性はある

万が一、ジェネリック医薬品を使用してみて先発薬との違いを感じたのであれば、その人には先発薬のほうが合っているといえます。実際に効果の違いを実感できるケースはそれほど多くありませんが、どんな薬も人によって相性はあるものです。 これはジェネリックに限ったことではありません。たとえば同じ効能を持つ薬でも「この薬は効くけれど、あの薬は効かなかった」というような経験は誰にでもあると思います。

ですから「ジェネリック医薬品だから効き目が悪い」と決めつけるのではなく、まずは一定期間試してみて、効果を確認してみることが大切です。その結果、特に以前までの薬と違いがなければ、そのまま安いジェネリックを使い続けたほうがコスト的にもお得ですし、ひいては日本の医療費を救うことにもつながります。

ジェネリックで効き目の差を感じやすい薬もある

ちなみに内服薬以外の薬、たとえば塗り薬や湿布薬、点眼薬などのジェネリックは、比較的「効果や使用感に違いを感じやすい」といわれています。

もちろんジェネリックである以上、主成分は先発薬と同じなのですが、内服薬と違って「使い勝手」が大きく影響します。たとえば湿布薬なら貼り心地も重要ですし、塗り薬ならテクスチャーや伸びの違いもポイントとなります。 ですから、たとえ実際の効能に違いはなかったとしても、患者さんが「前の薬に戻してほしい」と訴えるケースが多く、これらの薬ではあまりジェネリックの普及が進んでいないようです。

また精神的な病気の治療薬も、先発薬との効果の差を感じやすいといわれています。たとえば抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などです。 これらの薬を必要とする患者さんの多くは、自分に合った薬に対して大きな信頼を寄せており、「手放せない」と思う人も少なくありません。ですから、たとえ効果が同じだとしてもジェネリックに切り替えることを望まない人が多く、こちらも普及は遅れがちです。

つまり「何がなんでも、安いジェネリックを使うべき」とは一概に言えず、あくまで患者さんの希望に沿うことも大切だといえます。日本では幸い、国がジェネリックの使用をまだ強制しているわけではありませんので、「どうしてもこの薬がいい」という場合には先発薬を使い続けることができます。

日本でも、ジェネリック医薬品のランク付けが必要!?

ジェネリックの効き目に関しては、日本にはさらなる「評価」が必要だとする意見も多く寄せられています。

たとえばジェネリックが日本よりも普及しているアメリカでは、「ジェネリック=先発薬とは別の薬」という考えが当たり前のように根付いています。そして効き目の悪いジェネリックが横行しないよう、FDA(アメリカ食品医薬品局)が発行する「オレンジブック」において、各ジェネリック医薬品の試験結果について公表しています。

日本もこれにならって、日本版の「オレンジブック」を発行するようになりましたが、日本版では品質再評価(過去に発売されたジェネリックの溶出試験)の結果を載せているだけです。 一方アメリカ版では、発売されたすべてのジェネリック医薬品における「生物学的同等性試験」の判定結果をランク付けしていますので、「どのジェネリックが優れているか」がひと目で分かるようになっています。

ですから今後は日本でも、一般の人がもっとジェネリックの評価を確認できるようなシステムが確立されることが望まれます。現在、ジェネリックに対して否定的な意見が多いのは、薬によっては数十種類のジェネリックが出ている上、それらの違いが分かりにくいからでもあります。 そのためたった1つでも効能に疑問が残る薬があれば、それがジェネリック全体に対する不信感につながってしまうのです。

品質をデータとして公表すれば、問題のある薬は自然に淘汰されていくでしょう。そして本当に安心して使えるジェネリックが残り、私たちも抵抗なく使うことができるようになるはずです。